創業万延元年 松の司

創業万延元年 松の司

Chapter 1土地と酒

今も昔も洋の東西を問わず、酒は人々の暮らしと密接に繋がってきました。気候や地形、信仰、文化、歴史、農業、そして食習慣を通してとても密接に。気候や地形がもたらす土地の個性。土地の個性が現れた農作物。その農作物を原料として信仰や文化の中で造られてきた酒。だとすれば、酒を造るための原料の性質はダイレクトにそこに暮らす人そして風景を反映すると言えるのではないでしょうか。

Chapter 2竜王の山田錦を育てる

山田錦は酒米の最高峰です。これまで約30年間、私たち松瀬酒造と竜王町酒米部会は竜王産山田錦を、その原産地である兵庫県の中でも「特A」と格付けされた地区並みの品質まで引き上げることを目標に取り組んできました。収穫時期まで稲穂が倒伏しないように。米粒一粒一粒が大きくなるように。この土地での最適な栽培方法を探ってきたのです。そのたゆまぬ努力の甲斐あって、ここ数年は特A地区に勝るとも劣らない品質の山田錦が収穫出来るようになりました。

Chapter 3土壌が育む個性たち

兵庫県の特A地区の田圃は、おおむね谷あいの粘土質土壌に集中しています。竜王町はというと、大まかには東西の山に囲まれた盆地ではありますが、その田圃があるのは平地、山裾、河川の側と様々。さらに土壌的にも粘土、山土、砂や礫(レキ)、またそれらの混合土壌と多岐にわたります。水や肥料の持ちが良い粘土質の土壌で育つ米は、ふくよかでたくましく。水はけが良い砂礫混じりの山土の土壌で育つ米は、硬く繊細でシャープに。その混合度合いによる土壌の特性が米の質に現れます。

Chapter 4米に宿るものを現す

「酒を造るための原料の性質はダイレクトにそこに暮らす人そして風景を反映する」という信念のもと、『松の司 純米大吟醸 竜王山田錦』を通して、竜王町の多様な土壌、風景、村々の空気感、そして稲穂を育てる農家一人一人の個性を表現し伝えていくことを次なるステップとしました。皆さまがここ竜王町へと思いを馳せ、それぞれの米に深く宿ったオリジン[Origin-出自・源]をその味わいの中に感じて頂けたらと…心から願っています。

竜王山田錦 栽培土壌MAPRice Growing Areas of Ryuou Yamadanishiki

竜王山田錦 栽培土壌MAP

地区 地質 特徴
駕輿丁 [粘土] 蔵の少し南、細い川に挟まれたこの地区は後背湿地で細粒な粘土質の土壌。黒く粘り気のある粘土は水や肥料を長い時間保持することから、ふくよかで柔らかく詰まった質感の米が育つ。
橋本・弓削 [粘土+砂] いくつもの細い川が流れ、駕輿丁と同じ粘土と川砂や小石が混ざり合った土壌。少しグレーがかった粘土は駕輿丁のそれに比べてやや水はけが良く、ふくよかながらも繊細さのある質感の米が育つ。
岡屋・須恵 [粘土+砂利] 祖父川沿いの細い低地で、粘土に川砂や砂利が混ざり合った土壌。豊富な水源と保湿力の高い粘土、水はけの良い砂利の両面をあわせ持ち、柔らかくも軽い質感の米が育つ。
山中・鏡 [山土+砂礫] 鏡山の山裾で花崗岩からなる硬い地層を含む地区。花崗岩の風化による珪砂を多く含む山土と、砂や大きめの砂利が混ざった砂礫(サレキ)の混合土壌。(隣地区からの粘土も多少混じる)水はけが良く、繊細で軽く硬めの質感の米が育つ。
山之上(丘陵地) [赤土+砂礫] 河川の洪水などで運ばれた土砂(花崗岩などの礫)によって形成された丘陵地。その開墾によって露出した下層の赤土(腐植物の含量が少ない)と砂礫が混ざり合った土壌。水や肥料の抜けがかなり良いことから、丈が短く硬質でシャープな質感の個性的な米が育つ。
山之上(平地) [粘土+砂礫] 後背湿地の粘土と丘陵地からの赤土が混ざり合った赤みの強い粘土と砂礫の混合土壌。水や肥料の抜けが良く、丈が短くやや硬く締まった質感の米が育つ。

Origins of Blue松の司 純米大吟醸 竜王山田錦 [土壌別仕込]

  • [山 中]Yamanaka

    [山 中]Yamanaka

  • [橋 本]Hashimoto

    [橋 本]Hashimoto

  • [駕輿丁]Kayochou

    [駕輿丁]Kayochou